☆*:.。.小説.。.:*☆

小説を書いたり、紹介したりします。現在は『恋ってなんなの?』を連載中です。

恋ってなんなの?〜5話〜


「ねぇ、ちょっといい?」

ハッとして、振り返るとこの前屋上でショウ君と一緒にいた女の子がいた。確か名前は…

「あき…」

思わず呼び捨てで呼ぶと、睨まれた。

「…さん付けくらいしたら?」

「へっ!?…あ、あきさん…だよね?」

「そうだけど、星野サクラ」

フ、フルネーム…。そう驚いていると、あきさんは私を睨んだまま、

「ねぇ あんた、ショウの事、好きなの?」

そう聞いてきた。

「え…?好きなわけじゃ…ない」

「だったら、早くショウに返事して!?好きじゃないです、って!」

「っ…」

そうだ、まだ告白の返事をしていない。好きじゃないって言わなきゃ…。でも、なんだかモヤモヤする。

私が黙っているのが気にくわないのか、さらに険しい顔になったあきさんはどんどん私に詰め寄り、叫ぶ。

「あたしはショウの幼馴染なの。誰にもショウはとらせないからっ」

私がどうしようか困っていた時、

「あきさんっ!ここにいたんですかぁ〜。授業、始まりますよ?」

ショートカットの女の子が飛び出してきた。

「…わかった。」

その女の子があきさんを引っ張って教室に入っていく。


『だったら早く返事して!?好きじゃないです、って!』

そう言われた時、なぜか”なんか違う”と思った。なんでかな…私はショウ君の事が…?

「っ…」


続く


恋ってなんなの?〜人物紹介〜

☆星野サクラ   中2

主人公の女の子。あまり明るい性格ではなく、友達も少ない。恋やオシャレなどには興味ナシの女子力低め。ショウの告白から、ショウを気になるように


☆夢花ミミ   中2

サクラの幼馴染で親友。明るく、正義感が強い。友達が多く、恋バナやオシャレ好きの女子力が高い。ショウが好き。


☆七瀬ゆか   中2

いつも、サクラとミミと一緒に行動している。学校では、真面目な優等生だが、実は元不良!?


☆湯澤ショウ

サクラ達と同じクラスの男子。イケメンで優しく、女子にも男子にもモテる。サクラの事が好き。


☆神坂あき

ショウの幼馴染で、サクラの隣のクラス。強気な女の子で、2人の女子と共に行動をしている。男子には意外とモテる。ショウの事が好きでサクラには敵意を持っている。


☆北沢ハナ

あきと共に行動する女の子。あきのクラスメイトで、あきの事を尊敬しており、あきさんと呼び、子分のようにあきについていく。


☆北沢カナ

ハナの双子の妹で、あきのクラスメイト。本当はあきの事が好きではないが、ハナがあきについていくため、仕方なくあきの一緒にいる。

恋ってなんなの?〜4話〜

雲一つない空を見上げながら、登校中。

(うーん…どうしよう。どんな顔してショウ君に…)

そんな風に考え事をしていた。


「あ、おはよう」

「ふぇっ!?」

振り返るとショウ君が…。

なんで、なんで、なんで、と動揺しながら口をパクパクしたいたら、ショウ君が顔をのぞきこんできた。

「えっと、大丈夫…?」

「大丈夫っ」

私はそれだけ言うと、学校へと走った。

「…え?」


「どしたの、サクラ。最近変だよ?」

「え…ミミ…なんて?」

はぁはぁ言いながら尋ねる。

「…何があったの?そんなにはぁはぁって息がきれるほど走ってくるなんて…」

そこで、ミミはハッ と顔を上げ、叫んだ。

「もしかして不審者!?ストーカー!?」

「…は?」

「サクラは私の物なんだから!サクラは私が守るからねっ!だってサクラは私のこいび…」

「何言ってんの?」

私はすかさず そうツッコむと、ミミをゆかちゃんが冷たい目で見て、

「…百合にめざめた…?」

「いや、だから何言ってんの?」

そんな事を話していたら、ミミが急に

「あ、ねぇねぇ、この前ショウ君が…」

がたッ 

私は思わず”ショウ君”と聞いて立ち上がってしまった。

「あ…ちょっ、と、トイレいってくるっ」 

慌てて私は教室を出た。 ミミとゆかちゃんの

「サクラ、やっぱし、変だよね?」

「うん」

という会話が聞こえる。

「…なんで」

トイレの扉の前で、思わずつぶやく。

「何でこんなに気になるの…っ」


続く


恋ってなんなの?〜3話〜

タッタッタッ
もう、他の生徒は帰ってしまい、静かな校舎に階段を駆け上がる音が響く。

「…話ってなんなのよっ…」 

『話があるから、屋上にきてほしい』
ショウ君はそう私に囁いた。
話って事は告白の返事だと思う。答えは、ショウ君の事はなんとも想ってないから、いいえ と決まってる…

「…もう、昨日といい、今日といい…なんなのっ」
勢いよく屋上の扉を開けると、人影が2つ。
(ショウ君と…誰…?)
ショウ君の隣には女の子いた。

「っ!…だれよ、あんた」
ショウ君の隣にいた女の子がこちらをにらみ、近づいて私を指差した。
「えっ、わ、私は星野サクラ」
その気迫におされ、そう答えてしまった私に女の子はさらに険しい顔になった。
「ちょっと、あきっ!落ち着いて」
ショウ君が間に入る。
「…ごめん、星野さん。話があるんだけど、また今度でいいかな。じゃ…」
「あ…うん」
ショウ君を追う様に
「あたしも帰る」
あき という女の子がこちらを睨んで行ってしまった。

「…はぁ」
あの子、だれ?ショウ君と仲良いの??
なんだか、悔しくて地面を蹴った。
別になんとも思ってない…はずなのに…

続く

恋ってなんなの?〜2話〜


ショウ君に告白されてからしばらくしてから、私は帰り、スマホとにらめっこをしていた。

「…どうしよ…」

誰かに相談しようにも、家族にはもちろんムリだし、ショウ君のコトが好きなミミにはできない。友達のゆかちゃんは…

ピロリン

ゆかちゃんからのメールだ。

『○○©と△△が一緒に帰ってたんだけど!…リア充め…』

「……」

彼氏が欲しくて、リア充を恨む(?)ゆかちゃんにはムリだ。


「ああっ、もうっ」

スマホをベットに放り投げ、部屋をうろうろする。どうしようという不安と相談できないというイライラで壁を蹴ろうとした時、

「ご飯できたわよ〜!!」

母の声が聞こえた。

ここは二階だから、大声でないと一階のキッチンからは聞こえない。

スマホでメールとかしてくれればいいのに

「…いまいく!!」

部屋を出て、キッチンにむかうと、

「ちょ、飯 まだできてないじゃん!」

「あ、これでテーブル拭いといて」

「…はぁ?」


翌日


「ねむ…」

あの後 私はイライラマックスでなかなか眠りにつけず、寝坊してしまった。

「ねぇねぇ、どーしたの?めずらしいね、サクラが寝坊したなんて」

ミミが顔を覗き込む。

その途端、告白のことを思い出し、

「なっ、なんでもないしっっ」

私は顔を赤くして慌ててそう言った。

「絶対何かある」

ゆかちゃんが無表情で言う。ゆかちゃんは学校では静かで優等生というキャラだけど、本当は 不良といってもいいほど、ヤバい。

そんなゆかちゃんの言葉を聞いたミミがニヤニヤしながら、

「ほほぉ〜」

「な、何その、目っ」


ガラっ


「…っ」

教室に入ってきたのは、ショウ君だった。その瞬間、私とショウ君の目があう。

すると、ショウ君は私に近づいて、小さな声でささやいた。

「え?」

続く

恋ってなんなの?〜一話〜

一話


私、星野サクラ、告白…されました。


それは昼休みのこと。

「あのさ、サクラ〜」

友達のミミが話しかけてくる

「何?」

「ショウ君がさっきね、消しゴムひろっ…」

「また、ショウ君かよ」

ミミは、同じクラスのショウ君のコトが好きで、よく私にショウ君のコトを話してくる。

「…ミミってば、なんで そんなにショウ君のコトが気になるの?まったく」

「はぁ…まったくサクラは…」

いやいや、呆れられても…呆れてんのはこっちなんですけど?

そう言い返そうとした瞬間、

バンっ

「ほえっ?」

ミミが机を叩いて、

「これは、恋なのよ!サクラだって、恋したらこうなるよ!?まったくサクラってば、気になる人もいないんだから…

「……」

ミミにおされて、何も言い返せなくて、シーンと静かになった。気付けば、周りのクラスメイトもこちらをみて、黙ってる。

その沈黙を破るようにチャイムがなった。みんな我に返って、準備をしだす。次は移動教室か…


「…恋ってなんなの…」


恋なんて私には関係ない。好きな人も私を好きな人もいるはずな…


「ほ、星野さん!」

振り向くとショウ君が、手紙を差し出して

「これ、あの、読んでっ」

そう言うと、教室を出て行ってしまった。


手紙には

『放課後、屋上にきてください』

と一言…


放課後


「急に呼び出してごめん。」

私とショウ君が向かいあう。

「あの、えっと…」

「ショウ君?」

「星野さん!」

急にショウ君が私の肩を掴む。

「ほえっ!?」

「好きです!付き合ってくださぃ…」

ショウ君の声は段々、小さくなっていた。

「返事、待ってるからっ」

耐えきれないとでもいうように、ショウ君は帰って行った。

「…え…?」

私は何が何だか 理解出来なくて、しばらくその場で固まっていた。